キャリアのロングテール?

ロングテール現象が注目されてきた。
80:20の法則が片方にあって、
インターネットの登場によって、出現した現象だ。

80:20というのは、たとえば売上高と商品の関係においていえば、
上位20%の優良商品が全体の80%の売上(利益)を支えているという理論だ。
業界などによって5%くらいの誤差は出てくるが、
これはほぼあたっている。

実際、昔ある駅ビルのカード会員における売上と一人当たりのランキングを調べたところ、
確かにこのようなデータが出た。
そこから導かれる販促プランは、上位顧客の売上がこれ以上増加させることが可能か?
さらに売上が伸ばせる顧客層は何人いて、どのような対策が可能か?
と考え、
下位80%の顧客に対しては、購買頻度を挙げる方法、単価を上げる方法などを考えるものの、効果的なプランが出なかったり予算が足りないなどで、そのまま放置されることが多い。

ロングテール現象とは、この売上げ下位の商品が限りなく増大し、その売上シェアが20%どころではなく50%以上になるという現象をいう。
この場合、もちろん80:20の法則は崩れていく。
その理由はインターネットだ。
バーチャルの世界では品揃えは、いくらでも拡大することが可能になり、そのコストは限りなくゼロに近くなる。
リアルの世界においては物理的な制約がるため、いかに下位商品を入れ替えていくかが重要になる。ネットの世界では仮にその商品が一人の顧客のためのモノであっても、揃えて(掲載して)置くことが可能だ。
しかもそれは、その顧客にとっては希少価値を持つから、値引きの必要がない。利益率は高く、収益に貢献するという現象が現れているのだ。

これは多様化する社会におけるキャリアに当てはめたらどうか?
ニッチなきゃリアでも、一人でもそれを必要とする人がいれば、それは希少な価値をもつ。
しかしそれは、少数の人(企業)が認めるレベルを持っている必要があるにしても、
マスに受けるキャリアである必要はない。
こうしたキャリアのロングテール現象は起きるだろうか?
大変興味がある。

実際、中小企業がさまざまな逆境の中で活躍しているのは、
そうしたニッチで価値ある技術があるからに違いない。

だから、世間で通用するようなキャリアがない、などとすぐにあきらめる必要はない。
むしろ、それを必要とするステージを探すことに力を注いで見るべきだ。

新しい技術でなければ本当にだめなのか?
トレンドにあっていなければだめなのか?
わかりやすく洗練されていなければだめなのか?

いやいや、世界はそんな単一的なものではないと思うのだ。