中高年の『独立自営』という選択肢
●景気回復と独立・自営の増加
景気の回復が少しずつ労働市場を活性化してきている。
新卒の内定率もバブル期と肩を並べるくらいらしいが、
一方で、いくつも内定をもらっている学生もいれば、
ひとつも内定が獲得できない学生もいるというように、
格差が歴然としてきたという指摘もある。
中高年の再就職環境も、確かに好転しているようだ。
ハローワークの求人件数も、昨年と比べると増加している印象がある。
そうした中で、最近、中高年の独立・自営志向が増えている。
独立自営といっても、その種類はいくつかに分かれる。
特殊な技能、知識がある。
以前から計画を立てていた。
退職を機にさまざまな選択肢を見た結果、独立自営を選択した。
中には、息子と一緒にフランチャイズに加盟した。
Uターン先には就職先がないので、独立を選択した。
人それぞれの環境やタイミングで、『独立自営』が絶好の選択肢になる。
●改めて検討するチャンス
『独立・自営』は、ビジネスマンなら一度は考えたことがあるはずだ。
それでも、会社組織に所属したままなのは、なぜだろう?
自分の持つ技術が本当に社会で通用するかどうかの不安と、
それ以上に家族の生活を支えねばならないとう、使命感の重さではないか?
昨今の起業家に女性が多いのは、これとは無関係ではないだろう。
ビジネスマンとして脂の乗り切った年代といえば、30歳代半ばから40歳代半ばだ。
その時期はちょうど、会社でいえば昇進の時期でもあり、
それなりの責任ある仕事・チャンスに恵まれる時期だ。
家庭でいえば、住宅やクルマの購入、子供の進学などが重なり、
最も人生の中の役割が増大する時期だ。
管理職(プロジェクトリーダー)、上司、夫、父であり、
家族生活を支える総責任者というわけだ。
こうした役割・責任と天秤にかけた時、
独立自営は可能性や夢をかなえる絶好の機会でもあり、一方でそれ相応のリスクになる。
●『常識という思い込み』の見直し
中高年の独立自営をこれに照らし合わせてみると、
いくつかの役割・使命が外れていたり、それが間近に迫っていたりする。
役職定年による第一線からの引退、退職による組織の役割からの開放、
早期退職金によるローンの返済、子供の卒業・独立・・・。
新たに加わる可能性があるのは親の介護、自分の生きがいの発見・確認、プライドの再構築、
家庭・地域での役割といったことになるだろうか?
背負っているものはなくなったわけではない。
しかし、若いころよりはキャリアも積み重なり、自信も付いたはずだし、
背負っているものも多少は軽くなっている可能性が高い。
今年から会社法が変り、会社設立もいままでよりは手軽になった。
再就職といって、会社勤めだけが選択肢ではないことを自覚したほうがいい。
早期退職などで、想定外の出来事に驚いたり失望したりすることも多いけれども、
逆に新しく開かれる可能性もあるはず。
もう一度、しっかりと自分のおかれた環境を見つめてみる必要がある。
創業支援(東京商工会議所)http://www.tokyo-cci.or.jp/sogyo/sisaku/yusi.html
東商ベンチャークラブ http://www.tokyo-cci.or.jp/venture/club/
ドリームゲイト http://www.dreamgate.gr.jp/mydf
⇒これからを考えるために
http://www.goodcareer.jp