中高年の『独立自営』という選択肢

景気回復と独立・自営の増加

景気の回復が少しずつ労働市場を活性化してきている。
新卒の内定率もバブル期と肩を並べるくらいらしいが、
一方で、いくつも内定をもらっている学生もいれば、
ひとつも内定が獲得できない学生もいるというように、
格差が歴然としてきたという指摘もある。

中高年の再就職環境も、確かに好転しているようだ。
ハローワークの求人件数も、昨年と比べると増加している印象がある。
そうした中で、最近、中高年の独立・自営志向が増えている。

独立自営といっても、その種類はいくつかに分かれる。
特殊な技能、知識がある。
以前から計画を立てていた。
退職を機にさまざまな選択肢を見た結果、独立自営を選択した。
中には、息子と一緒にフランチャイズに加盟した。
Uターン先には就職先がないので、独立を選択した。

人それぞれの環境やタイミングで、『独立自営』が絶好の選択肢になる。


改めて検討するチャンス

『独立・自営』は、ビジネスマンなら一度は考えたことがあるはずだ。
それでも、会社組織に所属したままなのは、なぜだろう?
自分の持つ技術が本当に社会で通用するかどうかの不安と、
それ以上に家族の生活を支えねばならないとう、使命感の重さではないか?
昨今の起業家に女性が多いのは、これとは無関係ではないだろう。

ビジネスマンとして脂の乗り切った年代といえば、30歳代半ばから40歳代半ばだ。
その時期はちょうど、会社でいえば昇進の時期でもあり、
それなりの責任ある仕事・チャンスに恵まれる時期だ。
家庭でいえば、住宅やクルマの購入、子供の進学などが重なり、
最も人生の中の役割が増大する時期だ。
管理職(プロジェクトリーダー)、上司、夫、父であり、
家族生活を支える総責任者というわけだ。

こうした役割・責任と天秤にかけた時、
独立自営は可能性や夢をかなえる絶好の機会でもあり、一方でそれ相応のリスクになる。


『常識という思い込み』の見直し

中高年の独立自営をこれに照らし合わせてみると、
いくつかの役割・使命が外れていたり、それが間近に迫っていたりする。
役職定年による第一線からの引退、退職による組織の役割からの開放、
早期退職金によるローンの返済、子供の卒業・独立・・・。
新たに加わる可能性があるのは親の介護、自分の生きがいの発見・確認、プライドの再構築、
家庭・地域での役割といったことになるだろうか?

背負っているものはなくなったわけではない。
しかし、若いころよりはキャリアも積み重なり、自信も付いたはずだし、
背負っているものも多少は軽くなっている可能性が高い。

今年から会社法が変り、会社設立もいままでよりは手軽になった。
再就職といって、会社勤めだけが選択肢ではないことを自覚したほうがいい。

早期退職などで、想定外の出来事に驚いたり失望したりすることも多いけれども、
逆に新しく開かれる可能性もあるはず。

もう一度、しっかりと自分のおかれた環境を見つめてみる必要がある。


創業支援(東京商工会議所http://www.tokyo-cci.or.jp/sogyo/sisaku/yusi.html
東商ベンチャークラブ http://www.tokyo-cci.or.jp/venture/club/
ドリームゲイト http://www.dreamgate.gr.jp/mydf


⇒これからを考えるために
http://www.goodcareer.jp