優柔不断と慎重さの間にあるもの。

50歳も半ばになると、
転職活動も思うような仕事に出会うことは難しくなる。
数が少ないことは少ないのだが、
それ以上に経験してきた仕事と近いものを探さないと給与が大きく下がる傾向があるために、
どうしても選択肢が狭くなるからだ。
また同じような仕事に出会ったにしても、それは『同じような仕事』であって、
決して同じではなく、そのギャップに躊躇するからだ。


企業が変われば、仕事のやり方も異なるし、
風土も、同僚の性格も異なることが多い。
頭ではわかっていても、いざ踏み込むとなると
ひるんでしまう。

失敗は避けたい、
でも早く決めたい。
この逡巡は避けられない。

そのときにきちんと項目を整理し、
新しい検討材料がないかを探し、
そして検討するために時間がかかってしまうのは『慎重』さ。

新たな材料がないのに、
いつまでも悩み、結論を出すことが出来ず、
結論を出すべき期日になっても結論を出せず、
関係者に迷惑となるのが、『優柔不断』といえそうだ。


ときどきあることだが、再就職活動中にもかかわらず、
就職活動以外の理由で、内定が出た時に
すぐ返事が出来ず、
ずるずると入社日の延長を交渉することになるケースがある。

長期の旅行に出かけていた。
帰省していた。
アルバイトをしていた。
習い事をはじめた。
資格取得のための勉強をしていて、試験が近い。

理由はさまざまだが、
ここでは優先順位の付け方と
その方法が不適切といわざるを得ない。

再就職活動は
それほど簡単ではない。
さらに内定が出たときに、決断し、
納得して返事をすることはさらに難しい。
欲が出たり、
自信がなかったり、
離職後の環境に慣れてしまい、
それから離れるのが惜しくなったり、
新たな悩みが出てくるからだ。


だからといって、これらのことが悪いわけではない。
多くの人が、退職を機に家族旅行をしたり
昔から考えていた習い事をはじめたりする。
ただ、はじめからスケジュールを決めるとか、やり方を
よく考えないと、むざむざとチャンスを逃すことにつながりかねない。

旅行なら離職後2ヶ月以内。
習いごとをするなら1ヶ月、長くても3ヶ月以内に終了させるようにしたい。
可能なら、夜間とか通信教育、土曜日曜のコースを選ぶ。
これなら就職が決まっても続けることが可能だ。

大体、本当にやりたいことは
いろいろな手段を講じて在職中から恥じている人も多いのだ。
あるビジネスマンは、休みの土曜日曜にそれぞれ4時間ずつ自分の時間を確保し、
一年間400時間を確保して、本を書いたという。
このくらいの覚悟があれば、時間がないことはあまり言い訳にならない。

客観的に見て、なぜこの時期にそんなやり方で、そんなことをはじめるのか?
といった疑問がわくものは、
現実からの逃げをはらんでいるのかもしれない。
何を今頃、と思われるようなことは
常識的にずれているといえる。

それは優柔不断ということにつながる。
しかし、これは一方できわめて個人的な経験人間関係からなっているので、
三者はその正否をおいそれと判断できないし、
もちろん選択を強いることは出来ない。

ただただ、新たな問題を起こさないように
状況の説明をして、結論を出してもらうしかない。

職選びは、
それくらい重要で個人的な事柄だからだ。


迷いは誰にでもあるが、常に時間の制約に縛られていることも忘れられない
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