自分のキャリア発見のためのロングテール情報

いま、意思を共にする仲間と、キャリア支援のためのサイトを運営している。
サーフィンで見にきてくれる人(あるいは回数)はそれなりに増加しているが、
残念ながら、キャリア相談の依頼はその数十分の一にすぎない。

キャリア関連の話題は、社会的には相当増加しているが、
自分に必要なものだとは思っていなかったり、
人に相談するまでのアクションを起こせなかったり、
それほど必要性を感じていないのかもしれない。

もちろん、われわれのサイトにアプローチがなかったからといって、
いろいろな機会があるのだから、
もちろん一事が万事ということではない。

この夏休みに、
今後の社会、少子高齢化社会に関連する資料を読んでみた。
仕事柄、本当はもっと勉強しなければいけないのだが、
多少の反省があって、いつも以上に時間をとったつもりだ。

それを読んでみると、
少子高齢化社会』や『格差社会』といった言葉は
もっと深く身近なものとして考えるべきだと痛感した。

あるシンクタンクは2010年には正社員が50%を割り
正社員時代の終末を予測している。
今週の週刊ダイヤモンド(2006年09/02号)の特集は
文字通り『リストラ父さん フリーター息子』だが、
そこでも、いったん派遣社員契約社員になると
なかなか正社員採用に転換することができない事実を紹介している。

また今日の朝刊では、正社員の増加数が非正社員より上回ったという記事があったが、
25-34歳の大学卒業時に就職氷河期にあたり、正社員になるのが難しかった層では
正社員が6万人減少し、非正社員は9万人増加している。

必要以上に不安になることもないが、
しかし正確に現実を直視する必要もある。

夏休みに読んだ資料では、
バブル入社世代である35-37歳あたりの世代は、
大企業に多く在籍していて、それがいま余剰人員として早期退職のターゲットになりつつあるらしい。

この世代は別の点から見ると、さらに深刻になる。


いわゆるリストラは50歳以上、あるいは45歳以上あたりが対象になる
企業の若返りや人件費をはじめとする固定費の削減が目標だから当然そうなる。
しかし住宅ローンや教育費で金がかかる年代でもあるので、
体力のある企業ほど、割り増し退職金を上乗せするケースが多い。
それにもピンとキリほどの格差があることは否めない。
それでもそのような支援があるのは恵まれている。
さらに早期退職者の10%程度だが再就職支援サービスを受けられる人々もいる。
中高年の再就職は厳しく、一人でそれに立ち向かうのは容易ではない。
これも人によりなので、一般的な話だが。
また役職定年にあたるのが55歳。

ある面で50歳以上が直面する課題は、すでに定着している。

一方で人材の流動化による最適配置が進む現代では
人材紹介業は繁盛している。
これは転職を希望する個人と、適正な人材を採用したい企業のそれぞれの希望条件をマッチングさせ
うまく入社に至れば、人材紹介会社は受け入れた企業から、その採用された人の年収の数十パーセントを支払われる。
この仕組みは、相互に多くのメリットがあるが、
対象となるのは35歳くらいまでが中心だ。

となると、35歳あたりから45歳あたりまで、あるいは50歳くらいまでが、
ちょうどサービスや特典の真空地帯になる計算になる。
職場ではベテランとして活躍している世代だけに、
転職、再就職などはあまり頭にない。
しかも企業の仕組みや手法を熟知しているということは、
裏返すと、その企業のやり方に染まりすぎ、
一般的には通用しない特殊なキャリアの持ち主になっている可能性がある。

社内的には、若手を教え、率いる立場になる年代が、
実は、もっとも普遍的な教育・研修・訓練を必要とし、
バランスをとらなければならない可能性が高いともいえる。

しがたって、この年代を対象に、人の交流や自己変革の機会を提供するコミニティのようなものが
今後必要になっていくのではないか。

そういう考えに至った。

概要は今述べてきたとおりだが、
実はこのように世代全体を一つにまとめて考えることが難しいのも
この世代の特徴だ。
キャリア、生活環境、希望条件、趣味・嗜好といったものが多種多様になり
それぞれの独自性を伸ばしてきたのが団塊世代以降のビジネスマンだ。
だから大雑把な情報にはあまり反応しない。

ここでも自分にぴったりのケーススタディ、プログラムといった『自分のための』、
『自分らしい』情報でなければ、納得することは少ない。
アマゾンドットコムではないが、
ここでもロングテール現象が見られるわけだ。

もちろんネットを使用すればそれは不可能ではない。
多種多様な考え方の人たちの選択、生き方、価値といったものを
自分にぴったりの軸で検索できるようなデータベースがあれば、
これは価値だ出てくるはずだ。

一方で続々と新しい資格や専門的なスキルが登場し、そのための期間が登場する。
こちら側には、それを志向する人々がいる。

まさしくWeb2.0の時代にふさわしいサービスが期待されているような予感がある。

われわれのプロジェクトもそれに取り組むことに決めた。
いま運営しているサイトでも、なるべく早くそうした内容に切り替えて行きたいと思う。
そのために準備することを、いま考え始めている。


今後を期待してください



ロングテールを形成しているのは『個』。そこには無数の『個』が存在している⇒http://www.goodcareer.jp