ヤバイ常識と思い込み 因果関係を考えてみよう

ニューヨークの犯罪が減少したのはなぜか?


多くの専門家が危機的な犯罪の増加を予想していたにもかかわらず、
犯罪はどんどん減少した。
それを見て、専門家たちはさまざまな弁解、証明を展開したけれども
おそらくそれは15.6年前の妊娠中絶法の改正にあったという。


アメリカの暴力性の象徴でもある銃器。
これを危険視する声は高いが、
実際は銃で死んだ子供より、
プールで溺れ死んだ子供の数のほうが多い事実。


こういった現象は、そこかしこに散らばっている。
現象に対するイメージ、勘違い、誤った理解。


話題になっている『ヤバイ経済学』ではこのようなケースが
いろいろ紹介されている。


個々の事件や現象に対して、
最も効果的な対策を立てる。
このあたりまえの方法には
その原因を正確に把握すること、
確実な因果関係を把握することが前提になる。


これを間違えると、その対策にはロスが増え、
下手をするとマイナスの効果が出ることにもなりかねない。


この本では
プラスとマイナスがあるインセンティブ
因果関係と相関関係
回帰分析
といった用語がたびたび出てくるが、
こうした考え方、知識はもっと注目されていいだろう。



ここ数日、飲酒運転による交通事故が話題になっている。
きっかけは九州でおきた市職員による飲酒運転事故で
3人の幼い子供が死亡した事件だが、
さらにその際に事故をおこした犯人は逃亡しようとしたこと。
水を飲んで飲酒の証拠を隠滅しようとしたこと。
さらに友人に、犯罪の肩代わりを依頼したことなどが判明して、
この事件の悪質さが浮き彫りになった。
しかも、市の職員という公務員による犯罪である。


そしてこの事件がマスコミに大々的に取り上げられ、
各地の県や市、官公庁で、職員の飲酒運転事故による罰則の甘さが指摘され、
それに呼応して、罰則の見直しが進んでいるようだ。


しかしこれらの再検討をあざ笑うかのように、それからも
各地で飲酒運転による死亡事故がさらに続いた。
それは公務員であったり、教員であったり、一般市民に広がっている。


少なくともマスコミ報道は、事故、この場合は明らかに犯罪の抑止にはつながらなかったようだ。
この原因は何か?
どうすれば、減少、そして撲滅できるのか?


現状では犯人に対する罰則の強化が、クローズアップされているが
それ以外に効果的な対策はないのか?
酒を飲ませた店、いっしょにいた知人。
事故後の職員、会社員への注意の喚起、意識の再確認。
警察の対応、マスコミの報道の方向と内容、・・・。


悪質な犯罪であることはわかっているのに、
それをしてしまう人間があとを立たない風土、文化。


『ヤバイ経済学』ではないが、
散発的、一過性の評論、批評ではなく、
日本の全知力を集めて、どのようにすればよいのかを検討しなければならない。


まずは身近なところからはじめよう。
家族、兄弟、職場・・・。
これらの犯罪を生む職場、家庭には
おそらく何らかの原因や相関する何かがあるに違いないのだから。


思い込みは誰にでもある。だから他者という鏡が必要なんだ
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