やを乗り越えるコミュニケーション

マネックス証券松本大さんの仕事流儀の文庫本(正式なタイトルは忘れた)をのぞいたら、
コミュニケーションとは結果を求めることで、
日本人はカンバセーションとコミュニケーションを混同している、という指摘をしていた。


単に言葉をやり取りするのがカンバセーションだが、
これが英語の学習にもよく現れているという。
日本の英語教育では、まず
I have a pen.のように描写、状態をあらわす文章を覚える。
これではコミュニケーションにつながらない。
いま、韓国の英語教育では
We can help the world.というようなセンテンスを暗記しているという。
なるほど、これなら話が続く。


コミュニケーションとは、ある意味で主張がなければつながらないんだなぁ、
と思った。

<人脈>というのも、やっぱりコミュニケーションでつながっている。
単に名刺を交換しただけでは、人脈とは言わないが、
あの人は人脈がすごい、という場合には、
何らかの目的のために、相談をしたり依頼したりすることができるつながりをいう。
<人脈づくり>というのは、だから
ある目的がないとできないし、それを維持するのは、相互の理解とか尊敬とか
たとえば良好な利害関係とかがなければ生まれないし、続かないのだろう。
だから、人脈のカタチはそのときそのときの仕事の関係でどんどん新陳代謝を繰り返している。


転職する際、40歳を過ぎるあたりから
この<人脈>が、有効に機能する傾向が確かにある。
いったん会社を辞めてしまうと
それまでの人脈は、その形が変わる。
急速に消えてしまう結び目もある。
これは、仕事や活動が終了したので
コミュニケーションという血液が流れないのだから
しょうがないものが多い。
上司−部下、発注者−下請けという関係などは、
組織の中の一時的な役割関係ともいえ、
消滅も早いかもしれない。


一方で、退職後もつながる人脈もあるし、もちろん新たにできる人脈もある。
それは、共通の目標や協力関係があるからだ。
だから、何らかの行動がなければ、人脈は急速に収斂する。
行動があれば、それは拡大する。新しい行動であれば、それは間違いなく広がっていく。


行動は、実は、それまでの人脈の弱体化した結び目を
もう一度、しっかりと締めなおす効用もある。
行動といっても、時候の挨拶や近況のお知らせでもいい。
気持ちの変化や、新しい経験を伝えるのでもいい。


退職したときには、退職の挨拶をする。
近いところにいる人には、会って話をする。
遠かったり、約束をして会うまでもない関係なら、電話で話をする。
時には手紙やはがきを送る。
実はこれが大事な情報になったり、きっかけになったりする。


つい先日も、退職の連絡をしたことが、
ちょうどポストが空いたという情報につながり、
再就職に成功した人がいる。


また体調を崩して療養していたひとが、
回復の挨拶をしたところ、
新しい仕事の相談に結びついたケースもある。


小さなことでも、それを知らせる行動が
波紋を起こす。


『宝くじは買わなければ、当たらない』式だが、
何もやらなくては、期待したことは起こりにくい。


しかし宝くじもそうだが、お金を出して購入することの引き換えに
当選の可能性を買うわけだから、
人脈づくりもギブ アンド テイクである必要がある。
それがなければ、一方的なお願い、甘えに過ぎなくなる。


行動をおこすこと、行動しつづけることは大事だが、
まず、ちょっとした情報でも何でもいいから、
誰かに対する<ギブ>を心がけよう。


その<ギブ>は、必ず自分に跳ね返ってくる<ギブ>だから、
何かをすることは、自分への<ギブ>にもなるわけだ。


コミュニケーションを考えてみよう
http://www.goodcareer.jp