“悩む”より、“聞く”

転職を考えるときに
“悩む”ことは決して無駄ではない。
むしろ、考えてこなかったことが
たくさん残されていることが多い。

だから考えるべきことはしっかり考える。
自分の適性、本当にやりたいこと、
自分の将来の計画、そして必ず担保しなければならないこと。
これこそ考えるべきことだからだ。

大切なことには、それにふさわしい時間とエネルギーを注ぐべきだ。

しかし一方で、悩み続けるより
すでに知っている人、経験している人に聞いてしまうほうが
はるかに速く解決できることも多い。
速く解決すれば、無駄な時間を費やさなくてよいし、
疲れることもない。

たとえば、面接試験での応答でも
明らかに決まり文句で応えたほうがいいこともある。
“他に受けている会社はありますか”
“なぜ、前の会社をおやめになったのですか”
“お給料はいくらくらいをご希望ですか”
などなどは、必ずといっていいほど聞かれることだ。
これは決まり文句がある、というより
さっと応えて済ませてもいい質問のように思う。

すでに離職しているなら、複数の会社に応募するのは当たり前だし、
早期退職でやめたのであれば、50歳以上とか40歳以上とかの年齢によって
対象になるし、そうなればそうそうしがみついて職場に残れるような状態にはならない。
それなりの追加の条件が加わるので、
新しい活躍の場を求めるのにいい機会と判断した。
給料はいいほうがうれしいに決まっている。
今までと同じようにもらえればいうことはないが、
現実はそう甘くないのはわかっている。
応募に当たって年収条件を見て選び、その上での応募だから
それが前提だ。すなわち、企業の待遇条件を飲むしかない。

こうしたことは、すでに常識として定まっている問答である。
面接のFAQといってもよい。

こういうことがらには悩まず割り切って対応する。
なぜなら、もっと考えて応えるべきこと、伝えるべきことはたくさんある。

『他の方を採用するなら、
まず私を採用してください。絶対に活躍できるし、後悔させません』
こういいきった人がいた。
そして内定をもらい、めでたく入社した。

もちろん、これだけ取り上げてもわかりにくいだろうが、
自分のキャリアをきちんと理解して応募したなら
そういえる自信なり気合を持っているほうがいい。


逆に
『私の希望に当ている条件ならば
確認する必要はありませんから、応募しておいてください』という人もいる。
こういう場合に限って、希望条件は
現場作業でないこと、正社員、土日が休みというように
たいしたことがない場合が多い。
というより自分の希望だけなのだ。
私にできること、というのがない。
何ができるのか、何をしたいのかが明確でないひとは、
就職活動をする前提が間違えている。
簡単に言えば、スタートラインにたっていない。

こうしたことは必ず考え
自分なりの結論を持っているようになっていなくてはならない。
この自分の考えと、企業のニースが合うことは、
お互いにそれをとんがらせておくことだ。
自分ができること、自信を持っていることがあれば、
企業側が必要としていることと、反応しやすくなる。
それがなければ期待もできないし
魅力もない。
自分の希望だけではなく、企業の希望を正確にキャッチしなければならないのだ。

だから常識的なことは早く解決すべきだ。
考えることはたくさんあるし、
たくさん考える必要があるからだ。