“鈍”は“強”

とても神経質に、再就職活動の実態を質問する人がいる。
ようやく応募書類(職務経歴書)ができあがって、
さてこれから情報検索し、応募するという段階での話である。

応募するとどのくらいで返事が来るのか?
書類選考を通過して面接に進むのは何割くらいか?
平均して、どの程度応募すれば面接に進めるものなのか?といった類の質問である。

このような質問には答えはない。
本人の経験や応募先の難易度、マッチング度により、
まったく異なるからだ。
傾向としていえるのは、応募とその結果を参考にしていけば確率は上がってくる。
だから、行動を起こす前にあれこれ心配するのではなく
自分なりのデータを作っていきましょうと。

反対にかたくなまでに、自分の目標を遂行する人がいる。
同じ話をして、“それでは週に5社を目標にして応募していきましょう”
という目標を立てると、一生懸命自分のキャリアと通じる求人情報を探し、
5社という目標を実行する人がいる。
さすがに、週によってはギャップが大きく、
この応募はやめておきましょう、と制止しなければならないケースもある。

それでも応募を続ける。
この一種、頑なともいえる“鈍”が、実は成功に結びつく。
実はこれは大変なことだ。

実際にやってみると何社も書類選考で落ちる。
これが続くと、その不合格のメールを開くのさえいやになる。
そして、さらには疑問がわいてくる。
こんなことをしていて、一体なんになるのか、と。

これを理由にして行動をストップする人が多い。
多くはそうだ。
しかしストップしたとたん、“なんにも”生み出せない状態になる。
何もしなくなるからだ。


だからこれを乗り越える頑なな“鈍”を持ち続けることが
わずかながらも、必ず何かを生むのだ。


今日、メールで内定の連絡が入った方もこれに当てはまる。
毎週5社の応募を目標に活動を続け、
内定を勝ち取った。
しかも、この時期にはいくかの面接や二次面接が同時に進行するようになっていた。

これは平均値ではまったく把握できない。
最初の確率はゼロ。しかし最後の段階での確率は80%程度になる。
行動を通して精度を上げていくのだ。

行動から学ぶ。
もちろん考えることが前提だが、
考えるだけ、行動のない検討は
夢想にすぎない。