やむにやまれず・・。

そういうことがたまにある。

現在無職で40歳台半ば。独身。いままでに両手の指にやっと収まるくらい職を転々としてきた。
いまも、『この仕事をやりたい』といったようなたしかな覚悟も意思もない。
何もなければ、というより今までなら、自分でも合格するところ、受け入れてくれるところで、普通の生活ができるならどこでもいい、と言うくらいの気持ちで就職先を決めていたに違いないという。


しかし今回はいつもと違う。
もう2週間くらいのうちに結婚が控えている。
初婚だ。
結婚式に無職でいるわけにはいかない。
だからなんとしても式までには就職を決めておきたい。
新婚であれば、日勤で長く勤務できる安定した会社。
頑張れば給料が上がっていくくらいに成長している会社。
危険がなく、安全で安心できるしごと。
子供ができたら、自信を持って親の仕事を説明できるしごと。
といったような条件が自然と出てきた。


しかし、なかなか就職が決まらない。
時間は刻々と過ぎていく。
実際に普通の一人より真剣に職務経歴書を書き、求人情報を探し、応募数だって
20社にのぼる。
そのうち面接にすすめたのは2社で、結果は不合格だった。
年齢と転職回数の多さがネックになった。
一からわかっていたことだが、やはり厳しい。

カウンセラーとしては、
職務経歴書の書き方を工夫し、
職は変わっても継続できた仕事の領域やスキルを全面に押し出して
なんどか書き換えた。送付状も書いた。
しかし、なんともキャリアのばらつきはしょうがない。
まとまったスキルもほとんどのない。


さて時間がない。
どうするか?


決まるところにまず決める

業界のなかでも仕事の厳しさは群を抜き。まず誰もが知っている企業で内定が出た。
来月には出社して欲しいという。
この企業は入るは易いが、続けるのが難しい。
成績が上がらなければ生活ができないくらいのレベルまで給料が下がるからだ。

本来なら、就職は思いとどまったほうがいい条件だ。
しかし今回は特別だ。
式には間に合わせたい。
だめなら、またどこかを探す。
しかしそうなると、また職歴に転職回数が一回増え、ますます新しい就職が厳しくなる。
やむにやまれず、というのはこういうことだ。

しかしここで思いとどまって、もう少し仕事を探してみようとはいえない部分がある。
理屈ではそんなことはとうの承知。
しかし、今回は間に合わせたい。
相手にとってもその方が安心だろうし、その親族にとっても安心だろうし、体裁がよい。
新婚後そうそうの転職も体裁がよい訳ではないが、無職でスタートするよりはいい。
それに絶対にやめなくてはならない状態になるわけでもない。

本人はそう考え、思い込む。
しかしカウンセラーとしては釈然としない。
しかし、しかし、しかし・・・・。


悩ましい週明けである。