リアクション・センス

細かな気づき

先日、仕事場である提案をした。
自社のHPを
ネット時代にふさわしいものに変えるべきだという趣旨で
簡単な図を添えたものを社内のイントラの中にあるフォーラムにアップしたのだ。


イデア自体は簡単なもので、正常に考えれば、ごくごく基本的な内容だ。
しかし、そうした話題が日常の業務ではなかなか出てこないところに不安があった。
少数のスタッフで、社内の事業計画を立て、実行しているので
なかなかすべての事柄に目が行き届かない現状がある。
特にインフラの整備は、業務上で我慢できなくはない物なので、
後回しになりがちだ。

一般に従来型の仕事の進め方の中で
忙しさに追われていると、顕在化した問題の対応に追われ、その隙間にある問題に目が行き届きにくくなる。
手がいっぱいといった状況だ。

特にHPで事業活動を効率的にするというような考え方は、
かなり意識的にネット活用を考えていないと
後回しになる。
HPをどのように機能的にしたところで、結果がすぐに出る訳ではないから、
必然的に後回しになる。
しかしこれが一般的な企業の考えかただとするなら、
そこに勝機があるともいえる。



人が増やせなければツールを使う

ネットはツールにすぎない。
だからそれをすべての活動と組みあわせなければ
簡単に効果には結びつかない。


現実に職場ではいま、色々な問題が起き始めている。
これについては、職場の同僚とあつまり話し合いを持ち
各人がレポートを書いて課題だしをした。
それらの問題は、日常的な事柄が中心のため、
その解決策を考えるにはどうしても核になる基準が必要になる。


事業が何のために行われるのか、われわれは何を目的にこの事業をしているのか。
その基準になる理念が必要になる。
だから、課題解決の最後のところで決着がつかなくなっていた。
十分な仕事を進めるには、それぞれの立場に納得できる事情があり
いい悪いの問題ではなくなってくるのだ。


それを解決するにはどうするか?


人を増やす。人材の適正配置をする。
これはよく出る意見だが、
コストや人材のスキルを考えると、そうも簡単にはいかないことも分かっている。
となると解決に近づく要素はないかということになると
今日ではネットの活用が最も有望だ。
しかもネットの活用を、従来の活動にうまく組み込むことだ。



リアクション。


提案後3日くらいで、照会状況を確認すると
20名以上の社員が読み取り、ファイルのダウンロードをしていた。
わかりやすかったかどうかの質問も含め、
どこかからのリアクションを期待した。
しかしそれから3日ほどたっても何の問い合わせも意見もない。
参照した顔ぶれをみると管理職の2/3、メンバーの1/3程度がダウンロードをしているのだが。


そして昨日やっと一人、感想をよこしてくれた。
そのたった一つの感想の内容はこうだ。
『提案の中にあったことのいくつかは、
今迄にもお客さんからい指摘されていたんですよ。
なぜ、そうしないのか不思議だったんです』というのだ。


ということは営業メンバーが、取引先からこのような意見を聞いていたことはまちがいない。
しかしそれはどこにも発信されていない。
誰も考えていない。
気づいていない人間は、あいかわらずいままでの仕事、問題に追われている。
まるでモグラたたきのように・・・。


ささやかな提案は、いろいろな人になされている。
そして確かに読まれ、気づいている。
日常的な活動のなかで、顧客からの声も聞いている。


しかし、それに対して問題の提起をしていない。
それ以前に質問をしていない。
調べていない。そして考えていない。

そう、リアクションがない。

なにか新しいことに出会ったら
何らかのアクションを起こしたり、
起こせなければ、現状の問題は解決できず、
ただ、忙しさが続くだけだ。


問題意識を持つ。
新しい意見や情報は、その問題とどこかでつながっている可能性がある。

リアクションを起こせば周囲に見え、気づかれる。
それは波紋になり広がる。
かすかな問題は振幅し、
壁を乗り越えるかもしれない。

リアクションをするセンス。
これが鈍ると
そう、ゆでガエルの逸話のようになるのかもしれない。


⇒気づきませんか、周囲の変化。自分の変化
http://www.goodcareer.jp