社会インフラとして、人材ビジネスを考える

同じルールで競争をして、少しでも多く勝とう、というところでは新しいビジネスモデルは生まれない。
同じルールで勝つために企業はそれに適応し、先頭をいくことで、成長していくから
ルールを変えると、その強味はガラガラと崩れ落ちる可能性がある。組織や運営思想が柔軟であれば、組織が対応できるかもしれない。しかし今までの生物の歴史では変化が大きいほど、絶滅する種は増える。これが事実だ。

さて、人材ビジネスが社会インフラとして確立されるのはどういう状況だろう。
現在は、企業と自分のいずれか、何らかの理由で転職を考える。
その動機は人によって大きく異なる。
自分の夢の実現のために、職場を変える。
すでに自分を成長させてくれる環境が期待できないから、企業をかえる。
人間関係、特に上司との折り合いが悪いから、やめる。
成績が悪く、それを打破できないから心機一転するために転職する。
まあ、いろいろある。

ではもっとも妥当な理由はどういうものだろう。
レベルの違いはあるにしてもやるべき事をして、自分に正当な理由で会社を代わるのは悪いことではない。
自分の目標を決め、計画を立てる。
経験を積むにつれ、目標も計画も変化する。もちろんそれでいい。
変わってもつねに自分の目標と計画を持ち、意識して、それに関係する行動をとっている。
その上で、その障害になる環境や事件にであったら、そこでは移動や転職を考えるのは必然的だ。

だったら、必ず誰でもいつか出会うそうした転機のために、きちんとキャリアを考えて行動し、それを整理しておくサービスはあったほうがいいのではないか?

人は学校を出たら、企業に属する。しかしこの帰属は永遠ではなくなっている。
さまざまなルールに変化する市場競争では、利益を出していることですら、
事業継続を約束はしない。
シェア一位でなければ、撤退という事業方針すらある。
ならば個人は企業以外の何らかのよりどころを持っていたほうが良い。
それは帰属でも、保護を受けるのでもなく、何もなければ属していると言う意識すらないかもしれないが、それを利用できるなにかだ。

それをキャリア・バンキング・サービスと仮に名づける。
自分のキャリアを登録するようなフォームを持ち、定期的に更新する連絡が届き、更に一定期間が経過するとまとめる作業のサービスを受けられる。
自分で書いた企画書やその報告書も、アップロードが可能だ。要はキャリア形成に影響してきたすべてを保管するバンクだ。
ここにはすべてのビジネスマンのキャリガデータが保管されているので、個人は隠れているが全体のデータを元にした偏差値や、経路の傾向などは把握できる。
したがって、経理部に配属されて5年経過したら、簿記2級資格を取得し、米国会計基準の便ky府王を破棄している人が60%いる、とか、上場企業で評価が上位にいる社員の20%は海外留学経験および留学資格をもっているとか、いろいろなキャリアアップ情報が検索、あるいは提供されてくる。

そしていざキャリアアップのために転職を考え始めたら、
??自分のキャリアシートを企業、人材会社に公開でき、オファーを受け入れる体制ができる
??必要なら、利用者の評価を参考にしながら人材紹介会社を選択でき、サービスも受けられる
??キャリアアップに必要な学習テーマが明確になれば、適当な講座情報が入手できる
と言う具合だ。

したがって人材紹介会社などの一番最初のゲートに当たるビジネスモデルだ。
卒業と同時に、すべてのビジネスマンはこの門をくぐり、キャリア蓄積をしていく。
そのデータを適切な方向に成長させるべく、さまざまなサービスが提供される。
こうした社会人のためのキャリアバンキングだ。

こうした仕組みは、いまや難しいことはない。
アマゾンなどはいい見本だ。