動画の会社案内の効力は?

昨晩、20年以上前に一緒に仕事をした仲間と食事をした。
そこで、会社案内を『動画』すなわち映像でで制作することの効果はどのようなものがあるか、という話題になった。

一般的には紙に印刷した冊子、パンフレットという体裁がほとんどだが、
これを『映像』で制作すれば、はるかにインパクトがあることは間違いない。


15年前のビデオ会社案内とどこが違うのか?


15年位前にはビデオ会社案内というのがはやった。
紙のパンフとビデオのパッケージの会社案内というのもあった。
一つ一つオリジナルで作るのではコストがかかるが、会社案内の標準的なコンテンツは決まっているから、これをパターン化し、工数を省略すればコストダウンが可能だ。

だが、パッケージの大きさだけでなく、コンテンツそのものも紙で作るものとあまり代わり映えがしなかったせいか、主流にはならなかった。
それ以上に紙のパンフの可能性がまだまだ大きく残っていたからだと思う。コンテンツ、企画、文章力、写真、イラスト、体裁など、試せていない選択肢がかなり残っていたのは確かだ。
それに何より会社案内のビデオを何分見つづけられるか?という限界もあった。
本当に面白いかという問題と、何社分も続けて見られるかという忍耐の問題だ。
紙なら、ペラペラとめくれば飛ばし読みができる。この一覧性という紙媒体の強さは、もちろんいまも健在だ。

しかしいまはインターネットで動画を見るのがあたりまえになっているし、DVDプレーヤーやコンボドライブ以上の光学ドライブをつけたPCの普及も進んだから、動画での情報表現や提供は、明らかに以前とは違って地平に立っているといえるだろう。
さらに世代の違いもある。
携帯で連絡を取り合い、ゲームをし、そしてテレビ番組よりゲームで楽しむ世代だ。文字を読むより画像を眺めるのになれている。

たしかに、五感に訴える動画のインパクトは強い。これに映像技術も相当進んでいるからさまざまな表現が可能だろう。
そしてテクノロジーだけではなく、就職、転職といった社会環境もずいぶん変化している。


何が変わったのか、を知る

この間、就職氷河期があり、団塊ジュニア、ミニバブルがあり、リストラも大量に行われた。
そのプロセスでは、個人がどのような経験をしてきたか、どのような目標、希望をもっていたか。
そしてそれをどの程度意識し、行動してきたかといったことがずいぶん問われるようになった。
一生この会社で、というビジネスマンの(特に父親世代の)思いや夢は不可能になり、裏切られた。
それを身近に観察している世代でもある。

右肩上がりの社会では、黙っていても給料が上がり、仕事もどんどん増えた。仕事量が増えると、要領よく処理する能力が必要になるし、柔軟に新しい環境に対応できるフレキシビリティも必要になった。
そして体力、精神力、競争力・・・・。
ここで不足していたのは、個人が自分の夢や目標を考える時間と意識だ。

現在では新卒で就職した企業に定年まで勤められると考えている人は、あまりいないだろう。
もちろんいるかもしれない。しかし環境はおそらくそれを許さないだろう。
もちろん個人の考えも社会にでて、仕事を通してさまざまな変化と関わることによって、価値観が変わり考えも変わるだろう。
情報も簡単に入手できるし、転職システムも便利になった。転職がもつマイナスイメージも、きちんとした動機、目的があればかなり解消されている時代だ。

それなら『就職』は、一生ものではなく、ひとつの目的のための連続する階段のひとつに過ぎなくなる。となると採用活動は、もっと端的に仕事の内容や自社に就職する意味、意義を説明する必要がある。すなわちコンセプトが変わり、コンテンツが変わるのである。

このように考えると、単に動画での表現というだけでは、訴求力に欠けることになる。

この時代、自社が自社のために発する情報にはバイアスがかかっていて、必ずしも客観的な真実ではないことが知られている。しかも評価は刻々と変化する。企業の採用活動、学生の就職活動の期間が半年あったとしたら、最初と最後のほうでは情報内容、評価が変化している事は容易に想像できる。


さて、『動画』で、いまという時代に会社案内を作るとしたら、
どのようなコンテンツでどのような表現をとり、そしてどのように発信したり更新したりするだろうか?
このように考えていくと、すばらしい可能性が広がってくるような気がする。


変化しているモノ、自分を理解しよう
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