一期一会とそのスピード感

ここ一週間で色々な事があった。

良い話は、会員が先輩の紹介で入社が決まったことだ。
スムーズではなく、売上げ高や従業員数が、面接で説明されたものと広告と調査機関で出ているものとで大きな差があることだった。
同族会社のため、親会社といっしょくたにして広告では掲示しているようだった。それは調査機関と広告とで設立年が大きく異なっていることから推測できた。
広告は信頼性がある会社のものだったのだが、いまはそれほど厳しい調査をしていないのかもしれない。ネット時代には訂正が簡単にできるので、情報の早さを重視している傾向があるようだ。

結局、離職して半年近くになるため、本人もそうだが奥さんが相当疲れてしまったらしく、多少の不安があるものの、元の会社の先輩が紹介してくれたというのも、安心材料になったのだろう。それが決め手になりそうだ。


もうひとつやきもきしたほうの話は、周囲の方の意向を尊重したためのものともいえる。
離職間もない若い方だが、当初から希望していた企業に応募して、順調に選考が進み内定を獲得した。そもそも希望していた企業なので、めでたしめでたしとなるところだったが、並行してもう一つの企業にも応募し、こちらも順調に選考のステップをすすめていった。
第一希望の企業で内定が先に出たので、そこで当然辞退することのはずだが、
やはり受けてみたいという。

離職する際に、自分に自信をなくしていたようなところもあり、
まだそれほど時間が経過していなかったからか、
自分が色々な企業からどのように評価されるかどうかを確認したいというのがその理由だ。
気持ちはわかった。ただ、すでに第一希望の企業からは条件提示も受け、受諾書類にもサインをすませていたので、これ以降の辞退は企業の迷惑にもなるし、見識を疑われる。その念を押して、受験を了解した。
そしてそちらも内定を獲得した。

それですっきりしたはずなのだが、どうも明確に判断をし切れていない。
色々な方と相談して、迷い始めたようだった。
加えて、あとから内定を出した企業は人事担当者の勧誘も熱のこもったものだったらしい。

人柄がやさしい人でなくても、つい熱心さにほだされるということはよくある。

逡巡しあたげく、ご本人が最初の気持ち通りの判断をした。
だいぶ時間を費やしたような気がしたが、三日間の逡巡だった。
タイミングによるが、これはそれほど長い時間ではないようだが、密度の濃い時間だった。


●一期一会のスピード
 ネズミとゾウの時間、というタイトルの本があったように覚えているが、
人によって、その時の状況によって時間というものはずいぶんそのスピードと密度が異なるものだ。
もちろんそれは体感的なものなので、絶対的なものは変わらないのだから、時間をどのようにとらえるかという主体にこそ、すべての責任があり始まりがある。

急いでいるひとには一週間、二週間がとてつもなく長く感じる。
ゆっくりと、半年とか一年単位でものを考えている人にとっては、その時間は多少なりとも余裕をもって過ごせる時間かもしれない。
もちろんそのくらいの時間が、無条件であたえられれば、いろいろなことができる長さがある。
海外旅行もできるし、身近な講座を受けることもできる。推理小説なら2,3冊は読めるだろう。

以前、週刊誌事業にいたことがあるが、
そこでは毎週締め切りがあり、締め切りの翌日には前の週に締め切った雑誌が発行される。
営業の目標は毎週締め切りがあり、達成、未達成と毎週の会議で確認していたものだ。
そう、部会、課会、チーム会が毎週行われ、その頂点には役員会があった。
だから少なくとも一週間のまとめというべき成果をもとに、それ以降の対策が毎週検討され実行されていった。
そのための各役割別のミーティングだからテーマは明快でしかも必ず結果を出し、実行に移された。

しかし同じような事業で一年単位で動いているところでは、毎週会議は行われていたにせよ、それほどの緊迫感はなく、プロセスでの話し合いの深度を深めてくようなものだったと思う。
その分じっくり検討できるが、結果は一年に一度だから、やり直しは一年後になる。そういう面ではギャンブル性もたかい。
おたがいに一長一短があったが、双方のいいところを取り込んで成長していったようなところがあったように思う。

昔から毎週会議は実施されていたが、内容も密度も大きく違う。それは事業の性格によって変わってくる。しかし週毎に会議をおこない、なんらかの結論を出し、翌日からの行動に反映させていくスピードは実際のしごとの流れにあっているのではないかとおもう。

しかし実際に会議は行われても、その成果、結論をだしているかというとそれができていなことがおおいのではないだろうか。ましてやなんらかの指示が出て行動の指針になるようなこともすくない。