一年ぶりの朗報:以前担当していた会員より

昼休みに突然電話が入った。
昨年11月まで担当していた再就職活動をしていた会員からである。
51歳の電子系エンジニアで、当初からISOなどの認証機関でのお仕事を希望されていた。
しかし、認証をしている国内企業は企業からの出向者が中心を占めており、ニーズが顕在化してこない。
となると外資系企業へのアプローチが必要になる。

弊社内のルートで打診をしたが、うまく進めることができなかった。
そもそも紹介実績もなく、リレーションが取れていないため、書類を送る以前にシャットアウトされている。

その後、なかなか案件が出てこないため、ほかの業界、職種を受けてもらうようにした。
年齢が若いため、あまり時間が経過するのはマイナスに働く。
ベンチャーや派遣会社の技術系こーディネイター、さらには大学の技術職員といったものまで枠を広げ
その数社から内定を獲得していた。

しかしこの2月に、当初から希望している企業の求人が出て、応募し、面接を受けられた。
その後、数週間の間隔を置いて二次面接。そして1ヶ月以上を置いて最終面接が東京で行われた。
それが今日だった。
昨晩、東京で前泊。朝10時から、外国人の支社長と通訳を兼ねた人事部長の面接で、
結果はほぼ確定ということだったらしい。

その後、すぐに連絡をいただき、東京のオフィスに来ていただいた、というわけだ。

離職して約一年。
年齢を考えるとかなり時間が経過している。
しかし結果的には、当初の意志を押し通して、内定を獲得したというわけだ。
おそらくその間、相当な焦りがあっただろうし、まず奥様の不安も相当あったと思う。
当然だが、再就職活動というのは、いくら走ってもゴールが見えない活動だ。
誰か、他人との競争ではなく、自分のキャリアや希望と、企業のニーズの出会いを探す活動だ。
見つかるまでそれが続くのだから、相当忍耐力が必要になる。
それは、自分だけでなく、家族を持っている方にとっては、家族に。
親と同居している若い人であれば、親に、というように周囲の人を心配させてしまう。

しかし決定になると、ぱっとそれで終了するのだ。
終わってみれば、その活動は一生懸命なだけ、重い価値になっている。

今日の訪問を受けて、やはり11ヶ月かけて、念願の海外工場への再就職を実現した59歳のエンジニアの話を思い出した。
その方も、その決定に至るまで国内企業も応募し、考え、そして活動を継続して、最終的に評価されて目標を実現した。
時間は貴重だが、早く決まればいいというものだけではないようだ。
決まった数式ではないが、時間をかけることで希望がかなえられえたとしたら、
普通以上の時間が経過しても、その費やした時間には、その人だけの十分な価値がある。

われわれ、再就職を支援しているわれわれは、このことを常に認識している必要があるだろう。