中堅崩壊を読んで。

気がついたら、前回の日記から20日以上経過している。
さほど忙しくはなかったはずだが、かといってぼんやりできるような時間があったわけではない。時間はきにしないときには速く経過するようだ。

さてこの間読んだ本で、興味深かったのはダイヤモンド社の『中堅崩壊』(野田 稔著)。
40歳から45歳あたりの、いわゆるバブル就職時代の世代について、アンケート調査などを使用しながら解説し、提案もしている本だ。


この世代の少し後は、就職氷河期であり、後輩がなかなか入ってこなかった時期が続く。
また一方で、バブルがはじけ、組織のフラット化やゼネラリストからスペシャリストへ、といった大転換があった時期に、社会人のもっとも新鮮な時期が重なる世代でもある。

この世代は、一般に元気がない世代といわれることが多く、
この本に引用されている経営者のアンケートでも
仕事は任せられるが、新たな事業提案や推進は期待できない、といったような回答が多いという特徴がある。
しかし本人たちの意欲が低いわけではない。むしろ環境が激変し、当時の経営層、管理職層が、彼らをうまく導けなかったことも大きく影響していることが解明されていく。

伊藤忠商事丹羽宇一郎氏のインタビューは、いろいろな示唆に富んでいる。
ここでのキーワードは自立である。
これには当然のことながら、新規事業などの立案スキルや、責任を伴っている。
要は、覚悟をして全力挙げて立案し、提言しろということである。
新しい提案は、通常のルート、ルールの中ではなかなか通りにくい。
それを打破するには、それなりの覚悟が必要ということだ。

たまたま、この世代のクライエントを担当していることもあって
手にした本だが、これは中堅のポジション以上にいるビジネスマンに有効だと思った。

たしかに、腰をすえて調べ、考え、検証して、提言するような場面は自分にも周囲にも少ない。あるのは、意見を言う、指摘する類が多く、その場は盛り上がったりするものの、結果的には何も変わらないという慢性的低迷だ。

考える点は多い。