組織を動かす基本

1分間マネージャー。

組織には階層があってその階層ごとにやるべきことが明確に決まっている。
しかし、それがきちんと機能しているかは、その組織リーダーの考え方や力量による。

トップダウン型の組織にはいい面も悪い面もあるが、
悪い面は、トップが迷走するとその下の階層のすべてが迷走するということだと思う。

毎回の全社ミーティングで、常にトップの時間がとられ、
現場のMGRにその時間、場が与えられない企業は、その兆候がある。
トップしか語れないのか、あるいはトップ以外には語る権限がないのか。
いずれにしても、実際の現場を預かるMGRが自分の組織の目標、課題、戦略・戦術を語れないのであればその組織が組織として機能していないことの証拠になる。
トップが現場はうまく動いていると錯覚している場合もこれに当てはまる。
きちんとした報告がないか、報告してもしょうがないとあきらめがある『裸の王様』状態なのかもしれない。
組織を効率よく機能させる基本は、責任と権限の明確化だ。
そのベースになるのが直属の上司・部下の関係のマネジメントと、階層が2つ以上離れている階層のマネジメントをきちんと区別して、目標と課題を明確にしているか、ということである。
これには部下の育成も含まれる。

トップ・あるいは経営層の部下は事業部長。
事業部長の部下は部長・課長。
課長の部下はメンバー。

これが基本である。
もちろん間接的に二階層下の部下の動きにも目を配らねばならないが、それは本来直接管理するMGRに指示し、解決していくべきものである。
それをすべて頭ごなしにやるt、部下は名実ともにみずからの存在価値が自他ともに弱体化する。
これをリーダーシップと勘違いしている上級幹部がいると、始末に負えない。
確信犯であるがゆえに頑張れば頑張るほど現場のMGR が弱体化する。
人員構成上、そうした動きが避けられない場合もあるだろう。
しかしその場合は、それなりのポジションの用意、プロジェクトの発動、広報体制の、そして期限の設定などが不可欠になる。
そもそもが臨時のものであるがゆえに、制限なしにはあり得ない。

大方針はともすると理想になり、現実場面での問題解決や戦略戦術の立案・施行に及ぶことなく、
いきなり結果に直結する。
すると、組織の戦略戦術なしに結果の総括をするから、
現場は、要は一人一人が情報共有もなしに個人技で活動することになる。
これでは組織力というプラスアルファを生むことがない。
衛生理論もなにもないことになる。

ある程度小さい規模のとき、できたばかりの一時期であればともかく、
100名規模、あるいは5箇所以上の拠点を持つと、この組織運営は機能しなくなる。
トップが各人の顔、行動&成果を見ることができないし、各部署を回ることもあ出来ないからだ。
逆に、それくらいのことならできると思っていたら、トップとしての役割が十分されていない可能性がある。

経営というのは実に難しいのだが、
少なくてもトップの独り相撲はとらせない幹部がいるべきであり、
幹部はそういう状態を阻止すべきである。
昨今の、海上自衛隊不始末もそうしたものに関連しているようだ。
なかんずく思わぬ成長を手にしている企業もそうである。