人事制度って何だろう?

最近、人事制度の見直しが始まっているそうだ。
バブルがはじけた際には、成果主義が跋扈していた。
しかし、それは人件費削減を最大の狙いとして、
高報酬を受けて、実績を上げていない。
あるいは本来の役割を果たしえていない管理職層。
すなわち、年功序列制度の中でいえば中高年社員のリストラをターゲットにしていた。

しかし経済が落ち着いてくると、
実は成果主義というものはなかなか難しいことがわかってきた。
最初からわかっていたともいえる。
目標にはそれぞれ難易度があり、公平な目標を設定することはできないし、
かつ公平な評価も難しいからだ。

最近の人事制度のみなおしの機運は
文字どおり成果主義の見直しだ。
それは企業へのロイヤリティ強化をはかり、
社員の英知を収斂して推進力に変えていこうという魚喜ともいえるだろう。
企業は人間が作っている組織だからだ。

そこで人事制度は何かということを考えてみた。


仮設:人事制度はアプリケーションソフトである

そう考えてみた。
どんなにいいソフトでも適正なハードの上でしか機能しない。
この場合のハードとは、人事制度を運用する管理職層・経営層であり
制度のことだ。
そして、そのアプリケーションにはいろいろな機能が備わっているが、
それでは何のためにそのアプリケーションうをつかうのか。
言い換えれば、どのような組織にしたいのか、どのように人を成長させたいのか、という目的が明確である必要がある。
目的があいまいだと、そのソフトに機能は十分に発揮できない。
そしてオペレーターのスキルも不可欠だ。
発想力を豊かにして、そのソフトを使いこなさなければ、自分のできる範囲でしかパフォーマンスを発揮できないことになる。

となるとどんなに優秀なアプリケーションでも、その導入には十分な準備が不可欠になる。

それを列挙してみると以下のようになる。
①人事制度の導入には目標を明確にすること
②それを運営者と適用されるほうで十分理解し、一致させる
③それを十分に運用できる制度、方法などを整備する
ということだ。

このうち最大の問題になるのは①だと思う。
①は多くの場合、抽象的になり理想論になりがちだからだ。
しかしこれが抽象的だと、②はブレてくる。

これには、この人事制度をが適正に運営されたらどのような組織になり、どのような人材が育ち、
企業がどうなっているかを具体的に描くことで、より明確になる。
逆にこれが描けなければ目標自体が、明確でないことになる。

この段階をきちんとしているケースは意外に少ないのではないか?