モチベーションを上げるしくみ

たったいま、自分が担当する再就職活動を続けてきたクライエントが、無事、就職を決定し、新しいステージへのスタートを切った。
最後の、20分ほどの面談にすぎないが、納得できる再就職を決められた方は、ほぼ皆さん丁重なお礼を言われる。実際には、当方がどれだけの支援をしたかには大きなばらつきもあり、またその自覚もカウンセラーにはないことが多い。
しかし、ギリギリのところで悩み、行動してようやく決定に到達した方々にとっては、われわれの、もしかしたら、それほど重くはないかもしれない一言一言に力づけられたり、安心したりしているのだろう。
だからこそ、というべきか、われわれはその予測しない言葉や行動の力に、気づくべきではないだろうか?

意識せずにしたことが、相手を励まし、力づける。
もちろんその逆の方が多いのかもしれない。意図せず、人を傷つけてしまう過ちというのは、人間関係をこじらせ、不信を生み、さらにそれをエスカレートする。ビジネスの面でも同様のことが、数多く起きていることは間違いないだろう。

そして、当の意識していない本人は、しきりに襟を正し、恐縮し、萎縮する。
組織のシステムもそれをいさめ、改善する努力をする。それが注意・禁止項目を増やし、個人がその適性や個性を発揮できる領域は、少しずつ禁止領域に侵されていく。

活動領域が絶対的なものとして決まっているものだとしたら、それはトラブルを起こさないための規則や項目が、そこで行動する人間の自由度や行動範囲。ひいては自由な発想力やチャレンジを妨害する、マイナス方向に機能するというジレンマが生まれる。
課題を解決し、その城はうやナレッジを共有し蓄積していくことは重要だ。
しかし、その蓄積された基盤の上には、自由な発想やチャレンジができる領域が、常に拡大していかなければ組織の成長も個人の成長もないのではないか?

○モチベーションあげるプラスの仕組み

 マーケット調査から出てきた結果は、現在完了の分析にすぎず、新たな商品やサービスの評価には向かないということがよく言われる。消費者には、いまあるものは評価できるが、いまだ存在せず、あると便利なものをいい充てることはできない。
 それは研究や技術などの蓄積をもとに、カンや想像で形にし、それについての反応を見ることでしか、結果に近づくことができない。『千三つ』といわれるように、それでも失敗するのが、新しいサービスや商品を作り出すことの難しさだ。
 その難しさを前提にしても、クレームのような具体的なマイナスと同量のプラスを生む必要があるのではないか。

 サンキューメールという制度がある。
これは顧客が、企業の窓口に対して、自分が享受した良質のサービスに対して感謝のメッセージを送るシステムだ。外資系で企業では、流通だけでなく、製造、サービス業でも、定着している制度のようだ。
 ディズニーストア、IBMといったところでも、それが実際に機能していると聞く。
こうした顧客の声をいただくことには、さまざまなメリットがある。
・従業員の励ましになる
・サービスの評価の基準になる
・自分たちで気がつかなかった行動の何を喜んでいただいたのカの、発見になる。
・アンケートをお願いするような強制の要素がなく、自発的な顧客の反応がつかめる
などなどである。

 特に、自らが予想できなかった評価にこそ、新しいサービス創造の芽があると考えられないだろうか?

 ネットが普及している現在では、それはいかようなやり方でも実現が可能だ。 
 サービスの最後に、アフターサービスの解説をしたカードを渡す。そこにお気づきの点、励ましの言葉をお願いする、ということなら、抵抗なく導入できるのではないか?

 サービスを向上させるには、至らない点を解決していくだけでは、理想にはとどかない。
むしろ、設計できなかったサービスに対する評価をヒントにし、そこから新たなサービスを創造する努力をしない限り、どこも同じような、マニュアルサービスのレベルにとどまってしまうのではないか?

今日は、大変うれしいメッセージをいただき、本当にうれしかったので、モチベーションアップについて考えてみた。