面接は、応募ポジションに合わせて。

●まず書類選考を通過するためには、書き直すことを繰り返すこと 
転職活動における面接の位置づけは、まさしく選考そのものである。
その前にある書類選考は、なかなか通過できないという意味では、第一の難関ではあるが、
これには2つの意味がある。
一つは、自分が考えた、自分のキャリア&スキルと、求人票にある、企業の求める条件が、果たして本当にマッチしているのか、の確認の意味合いを持つ。これは、求人票やホームページなどにある情報が、必ずしも応募者が吟味するうえで十分ではないことが多く、整合性の確認は、応募活動を通してしかわからないという意味でもある。

二つめは、応募書類における自分のキャリア&スキルのまとめ方が、十分に企業に伝わらないものになっているという意味だ。
これは、先に述べたように、最もヒントになる求人票事態の情報の質や量、表現によって左右されることも相まって、自分自身のキャリア&スキルの説明が、前職の中でしか通用しないとか、周辺の説明が不十分だったり、一般的な環境の中での常識とずれていたり、表現自体が間違えていたりすることが原因になる。実際、この2のケースは多く、書類選考がなかなか通過でき名場合には、まず書類の書き直しをするのが原則になっている。

初めて応募書類を作成するときは、退職間もないときが多いために、どうしても前職のバイアスがかかっているおり、やむを得ない部分も多い。これが応募をしていくと、多少、おかしいと思うところが見えてくるはずだ。

●面接こそ、選考そのもの。レースの障害をシミュレーションする。
さて、本題の面接だが、これは書類に書かれているキャリア&スキルが認められたうえで、機会が与えられるものだから、ようやく、選考レースのスタートラインについた状態といっていいだろう。
ここでは、一定水準をクリアした応募者が一線に並んでの選考レースだから、どのようなハードルがあるのかを推測し、対応することが必要になる。

ここでは、面接に必要なマナーの説明は省く。
まず、必ずと言っていいほど出る基本的な質問への準備が欠かせない。
退職の理由、応募の動機、活かせると考える自分の経験&スキル、将来の目標、意欲、といった質問への準備はほとんどの方がかなり念入りに行っていると思う。
そして、質問に対しては答えを先に述べてからその説明をする、という順番もある程度心得ているだろう。
しかしこれは少し難しい。
いつも3っつあります。ひとつは、・・・、といった形式は、あまりにもマニュアル的だし、本当に3つなのか。2つしかないのか。5つくらいになってしまうのか?
ここは、整理をする必要があるが、それもキーになるポイントを見さだめる力がものをいう。
したがって、簡潔に的を得た答えができるかどうかは、かなり重要だ。

しかし、最近気が付いたのは、やる気をいかに伝えるか。あるいは前向きな印象をどう感じてもらうか。といった部分の、考え方である。

●やる気がむんむん伝わる応募者を好ましく思えるのは、どんなポジションの求人だろう?
 もちろんいろいろな答えが考えられるが、ここでは考え方として読んでもらいたい。
しごとの種類、企業風土にもよるし、歴史の重みもあるかもしれない。
はっきり言えるのは、組織のどこに位置するか、そしてどのように仕事を進めるスタイルなのか?ということである。
 一例をあげよう。
 リーダークラスなら、自分が自分が、といった姿勢は、まずその資質を疑われる。
同様に、アピールポイントを並べて長々と話をするのも、かなり疑わしい。
リーダーは、目標・ミッションを正確に理解し、様々なタイプや資質を持つメンバーを見定めて、組合せ、対応の仕方も工夫して、パフォーマンスを上げるのが仕事だ。それも常時上司や関連部署とのすり合わせをすることも必要だ。
 したがって、自分の強み、こだわりを聞かせせてほしい、という質問に対しは、どのような資質ややり方を求められているか、を考えることがポイントになる。
 これは大事だ。
 すべてに優れたビジネスマンはいない。したがって、自分のポジション、ミッションを理解して上で、自分を含めた、最大にパフォーマンスを上げるためのスキルが必要になる。そのための考え方、こだわり、スキル、コミュニケーション、行動が必要になるのだ。
これを意識して答えをまとめるのがコツだ。

 これが難しいのは、前職で自分に求められていたものと応募先の企業が求められているものをきちんと整理することだ。これは自分だけではなかなか気が付かないし、理解できないことが多い。
 したがってカウンセラーのアドバイスや意見を聞くことが有効になる。
しかし積極的で、自信のある人ほど、これを自分なりに解釈してしまうことが多い。
自分が変わらずに、それを解説してしまうのだ。“自分はそれをわかっている”というところから話が始まったら、逆効果だ。

●オールマイティではないことを認め、強みと弱みのバランスで考える
 素直に聞く、受け止める。
この行為は、自分の無知、未熟を素直に聞く姿勢がないと難しい。
自分の強みを見失わずに、それを理解する。
このバランスで考えてみると、いいのではだろうか?