自己理解が崩れたとき。気持ちや行動はどうなるだろう。

自分を楽観的と思っている人ほど、
実は悲観的な人間であることが多いそうだ。

それを測定する方法のひとつに
セルフトークという方法がある。


テープレコーダー、いまなら小型のICレコーダを携帯し、
自分の会話や独り言、口癖を録音する。
ポイントはそのときの気持ちを率直に言葉にして録音するのだ。
上司に間違いを指摘されたとき。
顧客に怒られたとき。
受注が入ったとき・・・。


それを後で、すべて書きだして、
前向きな言葉、後ろ向きな言葉をチェックするのだ。


そして、後ろ向きな言葉を、
前向きなことばに置き換え、意識的に言葉グセを変えていくと、
気持ちの持ちようが、大きく前向きに変わるという。


先日、40歳台半ばの男性と2時間ほど話をする機会があった。
転職にあたってのいまの気持ちを、切れ目なく話をしてくれた。


体格もよく、流暢とは言わないまでも
要領よく話ができる方だったが、後半、自分の気持ちを説明する段になると
ペースが落ち、声のトーンも沈んできた。


転職の大きな動機は、職場の人間関係だ。
まず、直属の上司とまともに話ができない。


仕事、特に取引先に対するスタンスがまったく違う。
それについては自分なりに説明し話し、行動もした。
しかし成果に結びつかなかったために、自信が揺らぎ、
徐々に力も失せてきたようだ。


最大のポイントは、上司との人間関係そのものだった。


学生時代を含め、前職でも、特に年上の先輩、上司との人間関係は
良好で、本人も自信があった。
しかしこの会社では5年前に入社した時から、感覚がずれていたらしい。
5年間、それは修復されることなく経過し、
最近は不眠症で医者にもかかり、ストレスを指摘されていたという。


しかし第三の私と話をしたことで、少しはすっきりしたようだった。
いわゆるガス抜きに過ぎないかもしれないが、
それはそれで有効なのだと思った。


さて、その話の中でよく使われ、気になった言葉があった。
同じ考え方をしているのは、他にはいなくて『一人だけ』。
上司の指示に対して、意見を言うのも『一人だけ』。
業績と取引先との関係構築を、同じように考えているのも『一人だけ』、
という感じなのだ。


そこには疎外感が、さらに外へ外へと引きずりこまれているような
むなしさを感じざるを得なかった。


こうした気持ちで、毎日出社する気持ちの重さはどうなんだろう。
自分で思っていた自分の強みは、ここでは発揮されずにいる。
話をする相手はいない。だれも気にとめない。
そのままで退職したら、そのあとはどうなるのだろう。


こうした気持ちをどのくらい受け止められ、
修復し、力を盛り返すために、自分はどの程度の力になれるだろう。
心が引きしまる。

※客観的なアドバイスが必要なら
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